危険物取扱者乙4で出題される熱(移動&膨張)と酸性&アルカリ性とイオン化傾向についてまとめました。
熱の移動
熱の移動には、
伝導(熱が高温部から低温部へ伝わる現象)
対流(液体と気体に生じる)
放射【輻射】(熱が直接当たった面に伝わる現象)
の3つがあります。
熱エネルギーは、エネルギーの大きい(温度が高い)ほうから小さい(温度が低い)ほうに移動し、エネルギーが均等になれば温度は安定します。
また、物質の熱の伝わりやすさは【熱伝導率】という数値で表します。
電気を流しやすい物質ほど熱伝導率が大きく、熱が伝わりやすいです。
そして熱伝導率が小さいものほど熱がたまって燃えやすいといえます。
➀熱の移動には伝導(熱が高温部から低温部へ伝わる現象)、対流(液体と気体に生じる)、放射【輻射】(熱が直接当たった面に伝わる現象)がある。
②熱伝導率が小さいものほど熱をためやすく、燃えやすい
③電気を流しやすい物質ほど熱伝導率が大きく、熱が伝わりやすい
熱膨張
物質の熱が移動することで起こる物理変化のひとつが熱膨張。
物質の温度が1℃上がったときのぶっちsつの体積や長さの増加率を「膨張率」といいます。
第4類危険物の貯蔵において、容器の上部に十分な空間を残しておくのは、熱膨張による容器の破損を防ぐためです。
そして、気体の膨張は【ボイル・シャルルの法則】で表します。
【ボイル・シャルルの法則】
圧力×体積/絶対温度(K)=一定
PV/T=P’V’/T’(P=圧力、V=体積、T=温度)
絶対温度の0K=‐273℃、絶対温度の273K=0℃
また体膨張率や膨張分体積については以下の計算式で表します。
体膨張率=1℃上昇時の増加体積/元の体積
膨張分体積=元の体積×体膨張率×温度差
で計算できます。
例えば、ガソリンの体膨張率を0.00135(K⁻¹)として、ガソリン200Lが10℃温度上昇したとすると、
200(L)×0.00135×10℃=2.7(L)となり、
2.7L分が膨れてしまうという形になります。
酸性とアルカリ性
酸性とは、物質が水に溶けて水素イオン(H⁺)を発生させている状態です。
反対にアルカリ性は、物質が水に溶けて水酸化イオン(OH⁺)を発生させている状態のこと。
物質を水に溶かしたとき、その水溶液が賛成なのかアルカリ性(塩基)なのかの度合いを表すのが水素イオン指数です。であり、PH(ピーエイチ、あるいはペーハーとも呼びます)
(←強い)酸性(弱い→) | 中性 | (←弱い)アルカリ性(強い→) |
リトマス紙(赤) | 無色 | リトマス紙(青) |
PH 0、1、2、3、4 | PH(7) 5、6、7、8 | PH 9、10、11、12、13、14 |
酸は青色のリトマス紙を赤色にし、アルカリ性(塩基)は赤色のリトマス紙を青色にします。
イオン化傾向
イオン化傾向は、金属が陽イオンになろうとする性質で、一番イオンになりやすいにはカリウムです。
分子が相互に電子を受け渡し、電気的な性質をもつようになったものがイオンです。
他から電子をもらった分子は陰イオンに、電子を失った分子は陽イオンになります。
イオン化傾向 |
←陽イオンになりやすい 陽イオンになりにくい→ |
K、Ca、Na、Mg、Al、Zn、Fe、Ni、Sn、Pb、H、Cu、Hg、Ag、Pt、Au |
- K:カリウム
- Ca:カルシウム
- Na:ナトリウム
- Mg:マグネシウム
- Al:アルミニウム
- Zn:亜鉛
- Fe:鉄
- Ni:ニッケル
- Sn:スズ
- Pb:鉛
- H:水素
- Cu:銅
- Hg:水銀
- Ag:銀
- Pt:白金
- Au:金
金属は電子を失って陽イオンになりやすく、陽イオンになりやすい順に金属を並べたものがイオン化傾向です。
イオンになりやすい物質ほど化学反応しやすく、酸化しやすく、錆びやすくなります。
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