危険物乙4の基礎物理&化学の分野からランダムで出題しています。
計算問題もありますのでぜひチャレンジしてみてください。
危険物乙4の物理化学(過去問形式)計算問題付き
【1】液温20°Cのガソリン 10,000L を温めたら、 10,200L になった。 このときの液温として、次のうち最も近い値はどれか。 ただし、 ガソリン の体膨張率を0.00135 [K⁻¹]とする。
- 20℃
- 25℃
- 30℃
- 35℃
- 40℃
4
【解説】
体膨張率0.00135 [K⁻¹]は、「1L(リットル)が1℃温度上昇すると0.00135L膨張する」という意味。よってガソリン10,000Lを何度(ΔT)温度上昇させれば200L膨張するか求めると、計算式は以下のとおり。
0.00135×10,000×ΔT=200
よってΔT=14.8℃、その時の液温は20℃+14.8℃=34.8℃となる。
【2】次のうち中性に最も近いものはどれか。
1 pH2.0
2 pH5.1
3 pH6.8
4 pH7.1
5 pH11.3
4
【解説】
pHは7が中性で、数値が大きくなるとアルカリ性が強くなり、数値が小さくなると酸性が強くなる。
【3】金属には塩酸に溶けて水素を発生するものが多いが、 次のうち塩酸に溶けないものはどれか。
1 カリウム
2アルミニウム
3白金
4スズ
5鉄
3
【解説】
イオン化傾向が水素(H)より小さいものが塩酸にはとけない。
★Hよりイオン化傾向が小さいもの★(H)Cu Hg Ag Pt Au【ひどすぎる借(白)金】
よって選択肢のなかでは白金が該当する
【4】地中に埋設された危険物の金属配管を、 電気化学的な腐食から守るため に、配管に異種金属を接続する方法がある。 配管が鋼製(炭素を含有する鉄) の場合、次のうち防食効果のあるものはいくつあるか。
アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、銅、ニッケル
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 5つ
3
【解説】
イオン化傾向が鉄(Fe)より大きいものは、鉄より先にイオン化して、鉄のイオン化を遅らせる防食効果がある。
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au
(貸そうかなぁ、まああてにするなひどすぎる借金)
よってMg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Zn(亜鉛)が鉄よりイオン化傾向より大きい
【5】次の図は、水の温度一圧力相図である。 ABC の状態に当てはまる組合せは、次のうちどれか。 なお、 1気圧は1.013 × 105 [Pa] である。
A | B | C | |
1 | 固体 | 液体 | 気体 |
2 | 固体 | 気体 | 液体 |
3 | 液体 | 気体 | 固体 |
4 | 液体 | 固体 | 気体 |
5 | 気体 | 液体 | 固体 |
2
【解説】
水は0℃以下で個体、100℃以下で液体、それ以上で気体になる。
温度‐圧力相図において、Aの領域は固体を、Bの領域は気体を、Cの領域は液体を表す
【6】次の気体で、最も比重の大きいものはどれか。
ただし、 原子量はC=12、 H= 1, O= 16 とする。
1 水素(H2)
2 メタン (CH4)
3 アセチレン(CH)
4 酸素(O2)
5 二酸化炭素(CO2)
5
【解説】
1 水素1×2=2
2 メタン12+1×4=16
3 アセチレン12×2+1×2=26
4 酸素16×2=32
5 二酸化炭素12+16×2=44
よって二酸化炭素が最も比重が大きい。
【7】比熱が2.5J / (g・K) の液体 200gの温度を10°Cから50°Cまで上昇させるために必要な熱量は、次のうちどれか。
1 5kJ
2 10kJ
3 15kJ
4 20kJ
5 25kJ
4
比熱はある物質1gを1℃温度上昇させるのに必要な熱量
物質200gの温度を40℃(10℃から50℃に)上昇させるための熱量は、以下のとおり。
比熱(2.5J/(g・K))×200g×40℃=20,000J=20kJ
【8】次の性状を有する可燃性の液体について、 次のうち誤っているものはどれか。
【発火点 160°C 引火点-45°C 燃焼範囲 1.9~48vol%、沸点35°C 蒸気比重2.6】
1 常温(20°C)で、 炎・火花を近づけたら着火する。
2 160°Cの鉄板に滴下したら着火する。
3 蒸気50vol%、 空気 50vol%で火花を近づけても着火しない。
435°Cのとき、 可燃性の蒸気は発生している。
5 蒸気比重は空気の2分の1以下である。
5
【解説】
蒸気比重2.6というのは、空気の2.6倍の重さのこと
【9】ある物体の融点が-114.5°Cで沸点が78°Cのとき、温度が-30°Cと70°Cのときの物体の状態で、次のうち正しいものはどれか。
−30℃ | 70℃ | |
1 | 固体 | 固体 |
2 | 固体 | 液体 |
3 | 液体 | 液体 |
4 | 液体 | 気体 |
5 | 気体 | 気体 |
3
【解説】
融点は物質が固体から液体に変わるときの温度
沸点は液体が気体に変わるときの温度
よってこの物体が−30℃のときは液体、70℃でも液体
【10】沸点について、次のうち正しいものはどれか。
1 沸点は外圧が高くなると、低くなる。
2 水に食塩を溶かした溶液の1気圧における沸点は100°Cである。
3 沸点とは、飽和蒸気圧と外圧が等しくなったときの液温である。
4 可燃性液体の沸点は、いずれも100°Cより低い。
5 沸点の高い液体ほど蒸発しやすい。
3
【解説】
沸点とは液体の飽和蒸気圧と外圧とが等しくなる時の液温を表す
沸点は加圧すると高くなり、減圧すると低くなる
【11】用語の説明として、次のうち誤っているものはどれか。
1 熱容量とは、 ある物体の温度を1K(ケルビン) だけ高めるのに必 要な熱量である。
2 沸点とは、液体の飽和蒸気圧が外気の圧力に等しくなるときの液体の温度をいう。
3 潮解とは、物質の中に含まれている水分が放出されて、 粉末になる現象をいう。
4 昇華とは、固体が直接気体になる現象又はその逆の現象をいう。
5 融解とは、 固体が液体になる現象である。
3
【解説】
潮解は固体が空気中の水分を吸収して自ら溶ける現象
物質に含まれる水分が放出されて粉末になる現象は風解である。
【12】燃焼に関する説明として、 次のうち誤っているものはどれか。
1 石炭は、熱分解により発生した可燃性ガスが燃焼する。 これを分解燃焼という。
2 木炭は熱分解や気化を起こすことなく、 そのまま高温状態になって燃焼する。 これを表面燃焼という。
3 ニトロセルロースは分子内に酸素を含有しているため、その酸素が燃焼に使われる。 これを内部(自己) 燃焼という。
4 エタノールは、 液面から蒸気を発生して燃焼する。 これを蒸発燃焼という。
5 硫黄は融点が発火点よりも低いため、 加熱されて融解し、さらに蒸気を発生する。 これを分解燃焼という。
5
【解説】
1~4記述のとおり
5硫黄は加熱によって融解して液体になり、液体表面から蒸気を発生して燃焼するので蒸発燃焼である。
【13】可燃物の燃焼の仕方の組合せで、 次のうち誤っているものはどれか。
1 灯油 蒸発燃焼
2 木炭 表面燃焼
3 木材 分解燃焼
4 重油 表面燃焼
5 セルロイド 内部(自己)燃焼
4
【解説】
重油は気化した蒸気が燃えるので蒸発燃焼
【14】粉じん爆発について、 次のうち誤っているものはどれか。
1 粒子が細かいほど危険である。
2 開放空間においては、 爆発の危険性は少ない。
3 火花は粉じん爆発の着火源となる。
4 狭い室内ほど危険性は高い。
5 粉じん爆発は、広い室内ほど起きやすい。
5
【解説】
粉じん爆発は、鉄や小麦粉、砂糖、コーンスターチなどの細かい粒子が空気中に浮遊して、その濃度が燃焼範囲になっている場所に点火源があると激しく爆発が起こる現象のこと。
狭い室内ほど起こりやすくなる。
危険物乙四の物理化学(過去問形式)まとめ
過去問形式の問題を解いて計算に慣れよう!
くりかえし問題を解いて、解説をしっかり読むこと!
【next★続けて無料問題集を解く】
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