危険物第4類の第3石油類の指定数量や性状について!引火点や水溶性も

第3石油類 乙4Webテキスト

第4類の第3石油類について解説していきます。

指定数量や第3石油類のそれぞれの性状、指定数量、引火点などについてもまとめていますのでぜひチェックしてみてください。

危険物第4類!第3石油類の指定数量

第3石油類の指定数量は以下のとおりです。

第4類の区分種別代表的な品名指定数量(L)
第三石油類
(危険等級Ⅲ)
非水溶性重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン2,000
水溶性グリセリン、エチレングリコール4,000

危険物第4類!第3石油類の性状・引火点・水溶性

第3石油類の性状についてそれぞれ見ていきましょう。

  • 重油
  • クレオソート油
  • アニリン(C₆H₅NH₂)
  • ニトロベンゼン(C₆H₅NO₂)
  • グリセリン(C₂H₄(OH)₂)
  • エチレングリコール(C₃H₅(OH)₃)

第3石油類➀重油の引火点や水溶性

  • 褐色または暗褐色の粘性のある液体で特有のニオイがある。
  • 比重0.9~1.0(比重が1より小さいのは第3石油類では重油のみ)
  • 沸点:300℃以上、発火点:250~380℃
  • 引火点:1種(A重油)&2種(B重油)60℃以上、3種(C重油70℃以上)
  • 重油は、日本産業規格により1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)に分類されており、1種<2種<3種の順に粘度が大きくなる。
  • 水には溶けない。
  • 不純物として含まれている硫黄Sは、燃えると有害な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)SO₂になる。

第3石油類②クレオソート油の引火点や水溶性

  • 黄色、濃黄褐色、暗緑色、黒色の粘ちゅう性の油状液体で、刺激臭がある。
  • 比重1.1
  • 沸点200℃以上
  • 引火点75℃
  • 発火点335℃
  • コールタールを蒸留して得られ、木材の防腐剤や防虫剤などに用いる。
  • 人体に対して有毒である。
  • 水には溶けないが、アルコール、ベンゼンには溶ける。
  • ナフタレン、アントラセンなどが含まれている。
  • 金属に対する腐食性はない。

第3石油類③アニリン・C₆H₅NH₂の引火点や水溶性

  • 無色または淡褐色で、特有の臭気をもつ
  • 比重1.01
  • 沸点185℃以上
  • 引火点70℃
  • 発火点615℃
  • 燃焼範囲1.2~11vol%
  • 蒸気比重3.2
  • 水には溶けにくいが、ジエチルエーテル、エタノール、ベンゼンにはよく溶ける。

第3石油類④ニトロベンゼン・C₆H₅NO₂の引火点や水溶性

  • 淡黄色から暗黄色の油状液体である。桃を腐らせたような芳香(アーモンド臭)を持ち、蒸気は有毒である。
  • 比重1.2
  • 沸点211℃以上
  • 引火点88℃
  • 発火点482℃
  • 燃焼範囲1.8~40vol%
  • 蒸気比重4.2
  • ニトロ化合物であえるが、第5類危険物のような自己反応性はなく、爆破性もない
  • 水にほとんど解けないが、アルコールやジエチルエーテル、大部分の有機溶剤に溶ける。

第3石油類⑤グリセリン・C₂H₄(OH)₂の引火点や水溶性

  • 甘味と粘性のある無色の液体で、吸湿性がある。
  • 比重1.1
  • 沸点197℃以上
  • 引火点111℃
  • 発火点413℃
  • 燃焼範囲3.2~15vol%
  • 水、エタノールに溶けるが、ベンゼンには溶けない。
  • エンジンの不凍液に使われる
  • ナトリウムと反応して水素を発生する。

第3石油類⑥エチレングリコール・C₃H₅(OH)₃の引火点や水溶性

  • 甘味と粘性のある無色の液体で、吸湿性がある。
  • 比重1.3
  • 沸点291℃以上
  • 発火点370℃
  • 蒸気比重3.2
  • ニトロベンゼン(爆薬)の原料となる。
  • 水に溶けやすく、吸湿性が強い。その保湿性を活かして、化粧品や水彩絵の具によく使われる。
  • エタノールには溶けるが、ジエチルエーテル(エーテル)、二硫化炭素、ガソリン、ベンゼンなどには溶けにくい。
  • アルコールはそのヒドロキシ基ーOH(水酸基)の数により、1価アルコール、2価アルコール、3価アルコールに分類される。
  • グリセリンは3個のヒドロキシ基(水酸基)を有しているので3価アルコールとなる。

危険物第4類の試験対策!第3石油類の例題

【問1】重油の一般的な性状等について、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 水に溶けない
  2. 水より重い
  3. 日本産業規格では1種(A重油)、2種(B重油)、3種(C重油)に分類されている
  4. 発火点は100℃より高い
  5. 1種および2種重油の引火点は60℃以上である。

解答2

重油の比重は0.9~1.0で、水よりやや軽い

【問2】クレオソート油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 引火点は70℃以上である。
  2. 比重は1より大きい
  3. 木材を腐食させる菌類に対し、防腐効力が大きい。
  4. 人体に対して毒性はない
  5. 20℃では黒色、または濃黄褐色の粘ちゅう性の油状液体である。

解答4

人体に対して有毒である。

【問3】ニトロベンゼンの性状として次のうち正しいものはどれか。

  1. 黒色の液体である。
  2. 比重は1より小さい。
  3. 自己反応性を有する。
  4. エタノールに不溶である。
  5. 引火点は100℃以下である。

解答5

引火点は88℃で正しい。

【問4】グリセリンの性状として、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 2価のアルコールで、刺激臭のある無色の液体である。
  2. エーテル、ベンゼンには溶けにくい。
  3. 吸湿性を有している。
  4. 引火点は100℃以上である。
  5. 比重は水より大きい。

解答1

グリセリンは3価のアルコールで、甘みのある無色無臭の液体である。

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以上です。

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