危険物乙4対策で物質の分類と変化を勉強したい
危険物乙4試験で出題される【物質の分類と変化】について解説していきます。
原子や分子、化合物などについてまとめてありますのでぜひご確認ください。
危険物乙4「物質の分類と変化」をわかりやすく!原子や分子&化合物
物質には元素が化学的に結合して単一の性質をもつ純物質と、複数の純物質が混じり合っている混合物があります。また純物質は単体と化合物に分けられます。
物質 | 純物質 | 単体 |
化合物 | ||
混合物 |
単体は1種類の元素だけで構成されており、酸素(O₂)、水素(H₂)、硫黄(S)、窒素(N₂)、ナトリウム(Na)などがあります。
化合物は2k種類以上の原子から成る物質で、例としては水(H₂O)、塩化ナトリウム(NaCl)、エチルアルコール(C₂H₅OH)、二酸化炭素(CO₂)、硝酸HNO₃などです。
一方で、混合物は2種類以上の純物質が化学変化せずに混じり合ったものであるため、ろ過など方法で個々の純物質に分離できる特徴があります。また混合物は物質の物理変化なので、分子式による表記方法はありません。
混合物(物理変化)には、空気、食塩水、ガソリン、灯油、軽油、重油などが挙げられます。
危険物乙4対策!物質の分類➀原子と分子
物質を構成する最小単位の粒子が原子(元素)です。
そして元素がいくつか結合して、物質個々の特性をもつようになる最小単位の粒子を分子といいます。
分子には1種類の原子だけで構成される単体と、2種類以上の原子で構成される化合物があり、1種類の単体分子だけ、あるいは1種類の化合分子だけでなる物質を純物質と呼びます。
つまり純物質は、単一の分子で作られた物質ということです。
★同素体と異性体★
同じ元素からなる単体分子なのに原子の結合が異なっていて性質が異なるものを【同素体】というよ。黒鉛はダイヤモンドの同素体、オゾン(O₃)は酸素の同素体。
また、化合物で分子式が同じなのに性質が異なるものが【異性体】だよ!
危険物乙4対策!物質の分類②有機化合物の性質
炭素原子(C)を含む化合物を有機化合物と呼びます。
炭素を含むことから燃えやすく、電気を通しにくいことから静電気を発生させやすくためやすいのが特徴です。
また一般に有機化合物は溶けにくく、融点や沸点が低いことが多いです。
有機化合物のうち、炭素原子と水素原子で構成されるものを炭化水素と呼びますが、とても燃えやすく、黒煙をあげて燃えます。
一方、ガソリンや灯油といった第4類危険物の石油類は、炭化水素の混合物。
炭化水素が燃えると二酸化炭素(CO₂)と水(H₂O)になり、不完全燃焼を起こすと有毒な一酸化炭素(CO)が発生します。
危険物乙4対策!物質の変化
物質の変化には物理変化と化学変化があります。
物理変化は例えば、水を冷やすと氷になるように、物質の本質は変わらずにその形や色などの見た目が変わることを指します。
一方で化学変化は、ガソリンが燃えて水と二酸化炭素になるように、まったく違う性質のものに変化することです。
化学変化には酸化、燃焼、化合、分解、重合、還元、中和などがあります。
ちなみに炭素が完全燃焼すると二酸化炭素(CO₂)ができ、不完全燃焼だと一酸化炭素(CO【毒・可燃物】)が発生します。
危険物乙4対策!物質の変化➀酸化と還元
酸化は、物質が酸素と結合して別の物質になることで、酸化のうち、発熱と発光を伴うものが燃焼です。
(酸化の例)2Cu+O₂→2CuO
また還元は酸化の逆反応で、物質が酸素を失う変化のこと。
酸化が起こるときには、同時に還元を起こっています。
(還元の例)CuO+H₂→Cu+H₂O※酸化も同時に起きる
ちなみに酸化剤と還元剤を混ぜると危険なのでやめましょう。
危険物乙4対策!物質の変化②用語の説明
専門的な用語をまとめておきましたので、確認しておいてください。
用語 | 概要 |
化合(化学合成) | 種類の異なる単体分子が化学反応を起こして結合し、新しい物質(化合物)になること 例)酸素と水素が化合すると水になる |
分解(化学分解) | 1つの化合物が2種類以上の物質になること 水を電気分解すると酸素分子と水素分子に分解できる |
重合 | 単純な構造の分子化合物(モノマー)が複数結合して大きな化合物(ポリマー)になること |
中和 | 酸(酸性)と塩基(アルカリ性)が化学反応して、お互いの性質を打ち消すこと。2種類の化合物がお互いの成分を交換して、新しい化合物を生じる複分解反応の一種 例)塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると、塩(塩化ナトリウム)となり、元の塩酸の酸性と水酸化ナトリウムのアルカリ性の性質がなくなる。 |
危険物乙4「物質の分類と変化」原子や分子&化合物まとめ
物質の分類
物質 | 純物質 | 単体 |
化合物 | ||
混合物 |
- 分子には1種類の原子だけで構成される単体と、2種類以上の原子で構成される化合物があり、1種類の単体分子だけ、あるいは1種類の化合分子だけでなる物質を純物質と呼ぶ
- 炭素原子(C)を含む化合物を有機化合物と呼ぶ
- 化学変化には酸化、燃焼、化合、分解、重合、還元、中和などがある
用語 | 概要 |
化合(化学合成) | 種類の異なる単体分子が化学反応を起こして結合し、新しい物質(化合物)になること 例)酸素と水素が化合すると水になる |
分解(化学分解) | 1つの化合物が2種類以上の物質になること 水を電気分解すると酸素分子と水素分子に分解できる |
重合 | 単純な構造の分子化合物(モノマー)が複数結合して大きな化合物(ポリマー)になること |
中和 | 酸(酸性)と塩基(アルカリ性)が化学反応して、お互いの性質を打ち消すこと。2種類の化合物がお互いの成分を交換して、新しい化合物を生じる複分解反応の一種 例)塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜると、塩(塩化ナトリウム)となり、元の塩酸の酸性と水酸化ナトリウムのアルカリ性の性質がなくなる。 |
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